崩れを許さない。再発ゼロを目指した堅固な対策

工事名:2災154号河川災害復旧工事

発注者:大隅地域振興局

公共

概要

本工事は、曽於市末吉町にある大淀川の崩壊した護岸を大型ブロックにより直高5m,延長両岸合わせて110m復旧し、護岸の強化を図る河川災害復旧工事でした。

課題やご要望

再発防止と安全性向上

川の中央部に矢板を打設して水の流入を防ぐ対策を講じたものの、河岸部分で土砂の崩壊が発生してしまったことを受け、今後同様の問題が再発しないよう、より確実で安全性の高い対応策を講じてほしいというご要望がありました。

軟弱地盤への対応

工事を進める中で、大型ブロックを設置する予定であった箇所の地盤が、想定以上に軟弱であることが判明しました。このままでは大型ブロックを安定して設置することが難しく、構造物の安全性や耐久性に影響を及ぼす可能性があると判断されました。そのため、計画を見直し、地盤の支持力を確保するために地盤改良工事を実施する必要が生じたことが、大きな課題の一つとなりました。

度重なる工程の見直し

重機と施工方法の選定や田の出水期による工事中止及び湧水による掘削面の背面部が土砂崩壊し工事中止となり、度重なる工程の見直しが発生しました。

解決に向けたアプローチ

「ソルスター」を使用

軟弱地盤への対応として地盤改良を行う必要があったため、改良材として「ソルスター」を使用する方針としました。しかしながら、同材の使用にあたっては、現場周辺の環境への影響、特に人や魚類などの生態系への悪影響が懸念されました。そのため、事前にソルスターの安全性について試験を実施し、基準値を満たしていることを確認しました。これにより、安心して施工を進めることができ、課題解決に繋げることができました。

矢板を河岸側にも新たに設置

河岸における土砂崩壊の課題に対しては、関係者間で協議を重ねた結果、これまで川の中央部のみに打設していた矢板を、河岸側にも新たに設置することで、土砂の流出や崩壊を防止する対策を講じました。これにより、再発防止と河岸の安定化を図ることができました。

結果

地域住民や役所の方々にも喜んでいただけました。また、ボランティアで、小規模校入学特別認可制度指定校(曽於市 高岡小学校)の草刈りをし、感謝状をいただきました。協力して頂きました地域住民の皆様や協力業者様に感謝申し上げますとともに、今後も微力ながら地域の安全と発展に貢献させて頂けたらと思います。

着工前

完成

工事名
2災154号河川災害復旧工事
発注者
大隅地域振興局
工事場所
鹿児島県曽於市末吉町南之郷 地内
工期
令和3年3月25日~令和4年6月30日