“起こる前”に備える。将来を見越した現場対応

工事名:マイクロカット(株) 第8工場 新築工事

発注者:マイクロカット株式会社

工場・設備

概要

霧島市国分上野原テクノパーク内に本社を構えるマイクロカット株式会社様は、難削材の高精度加工を得意とし、世界最先端の高規格・高品質な技術で、業界でも高いシェアを獲得されています。

今回生産体制強化の為、新たな生産施設となる第8工場を建築させて頂きました。

課題やご要望

沈まない床、揺れに強い基礎

コンクリートの耐圧盤が将来的に沈下しないよう、PC杭(支持杭)を打ち、確実な支持基盤を構築してほしいという要望がありました。特に、建物や施設内に大型の機械設備や重量のある重機が設置される予定であったため、それに十分耐えうる高い耐荷性能と耐震性を備えた構造としました。

漏水やひび割れへの対応

施工後に漏水が発生しないよう、十分な配慮が必要でした。また、温度変化や乾燥による収縮、荷重などに起因するクラック(ひび割れ)の防止も重要な課題となりました。

解決に向けたアプローチ

将来的なトラブルやメンテナンス性も考慮

施工にあたっては、まず各関係部署や担当者と連携を取りながら、施工図と設計図を照らし合わせ、問題点や施工精度の確認を行いました。実際の現場状況と図面が一致していない箇所についても、一つひとつ丁寧に洗い出し、特に設計図に記載されていない部分や、図面上では把握しきれない現場特有の条件についても、見落としのないよう細部にまで注意を払い、慎重に検討を重ねました。図面にない箇所に関しては、将来的な施工トラブルやメンテナンス性も考慮し、事前に想定される課題について関係者と打ち合わせを重ねながら、より確実で安心な施工を目指しました。

重点的な補強

漏水対策やクラック(ひび割れ)防止に対して、発生しやすい箇所に重点的な補強を行いました。その結果、完工後において漏水やひび割れの発生が大幅に抑えられ、新たな補修工事や追加費用の発生を防ぐことができました。

結果

美術館を彷彿させる外観は、一見工場には見えない佇まいで、縄文時代の遺跡発掘、保全を行っている上野原テクノパークの自然豊かな立地環境に一際存在感を放っています。

トラブルを予測し、重点的な補強を行うことで余計な補修対応が不要となりました。お客様と弊社の双方にとって、コスト面でも精神面でも大きなメリットとなりました。

 

工事名
マイクロカット(株) 第8工場 新築工事
発注者
マイクロカット株式会社
工事場所
鹿児島県霧島市国分上野原テクノパーク1137-67、1168-16
工期
令和3年4月1日~令和4年2月28日
構造
鉄骨造
床面積
2,791.25m²